【助産師執筆】妊娠中・妊婦さんは禁忌・避けるべきハーブティー

妊娠するとお腹の赤ちゃんの影響が気になり、食べるもの、飲むもの、口にするものは全て慎重になるのではないでしょうか。特に飲み物は毎日摂るものだから、特に慎重に選びたいものです。

妊娠中はカフェインを含む物は出来るだけ避けた方がよいので、その点でもハーブティーはおすすめですが、実は妊娠中に禁忌のハーブも多数あります。

飲むとお腹が張ってしまう危険のあるハーブ、女性ホルモンに似たような作用を持つハーブ、流産を引き起こす危険があるハーブは絶対に飲んではいけません。

妊娠中のハーブティーは上手に使用することで、不快なマイナートラブルを軽減したり、出産に役立ったりなどの効果を期待できます。しかし、よいと思って飲んだハーブが悪影響を引き起こしては本末転倒です。

今日は助産師ハーバリストが妊娠中の禁忌ハーブについて解説しようと思います。

妊娠中に禁忌のハーブティー

ハーブは何百種類とあるので、ここではよくお店やネットで手に入り安い物をご紹介します。

妊娠中に禁忌のハーブ

アロエ、イチョウ、エキナセア、サフラン、シナモン、ジャスミン、セージ、セントジョーンズワート、センナ、紅花(サフラワー)、チェストツリー、バジル、ハトムギ、フェンネル、マジョラム、マテ、よもぎ、ラズベリーリーフ、ラベンダー、ルバーブ(大黄)、レモングラス、ローズマリー等

※ラズベリーリーフ、カモミールは臨月(妊娠37週以降)は摂取可能です。

なぜ飲んではいけないの?

上記のハーブには子宮を収縮させる危険性のあるハーブや、胎盤を通して赤ちゃんに影響を与える危険性のあるハーブ、下痢・腹痛を引き起こし切迫流産・早産の危険性があるハーブ、女性ホルモンに似た作用を持つハーブです。

子宮を収縮させるハーブや赤ちゃんに影響を与える危険のあるハーブはみなさんも禁忌だということは想像がつくとは思います。

妊娠していない女性が下痢で腹痛を起こしても、一日休んだり、薬を飲めば数日で回復するでしょう。しかし、妊婦さんが下痢や腹痛を起こすと、それが引き金になり、切迫流産や早産を引き起こす危険性があります。

以上の理由から、妊娠中は上記のハーブは禁忌となります。

妊娠中のハーブ飲用が慎重になる理由

ハーブティーといえばノンカフェインのイメージが強いのですが(一部カフェイン含むハーブもあり)、世界各地では昔から薬の代用品として使われてきた側面があります。

○○に効果がある!と科学的に解明されているハーブも数種類程度あるのですが、そのほとんどのハーブにはなぜ効果があるのか解明されていません。

ハーブの専門家や自然療法士などによっても考え方や意見はさまざまです。

安産のハーブティー「ラズベリーリーフ」にしても、なぜ出産にいいのか?なぜ陣痛を促進するのか?など未だに解明されていません。

しかし、西洋医学が発展する以前、薬もない時代から多くの自然療法士やハーバリストが経験や知識からラズベリーリーフが安産に役立つ!ということを実感してきたのでしょう。

日本でのハーブの立ち位置は食品扱いですが、ハーブは古くから民間療法の一種として使用され、薬によっては植物から抽出されているものもあるため、使用時、特に妊娠中のハーブ使用は注意が必要です。

妊婦さんがハーブティーを飲むときの注意点

妊娠中に禁忌のハーブはもちろん飲んではいけません。

しかし、妊娠中に飲めるハーブティーのおすすめであっても一度にたくさん飲んだり、とても濃いハーブティーを飲んだり、飲み物全てをハーブティーに変えることは絶対にしてはいけません。

例えば、妊娠中の便秘や紫外線予防に役立つハーブ「ローズヒップ」を例に挙げてみましょう。

ローズヒップは1日に1~2回、一回の量ティーカップ1杯、少し薄めのハーブティーを飲んだら便秘解消にも役立ち、妊娠中にはとても大活躍してくれるハーブです。

しかし、1日に何回も濃いローズヒップをたくさん飲んでしまうとお腹が緩くなり下痢になり、それが引き金で子宮が収縮して、切迫流産や早産になってしまう危険があります。

以上の理由からも、妊娠中のハーブ飲用は飲み方、飲む回数、ハーブティーの濃さをしっかりと守り飲む必要があります。

妊娠中のハーブティー飲用には、一日1~2回まで、一回の量はティーカップ1~2杯まで、いつもより薄めのハーブティーを飲む、体調が悪いときには飲まない!これが大鉄則です。

妊娠中に禁忌のハーブを飲んでしまった!?どうしたらいい?

間違って1~2回飲んでしまっても、特に問題はありません。

飲用後にお腹の張りを強く感じた!など普段とは違う異変があったら、すぐにかかりつけの病院を受診してください。

しかし、妊娠中禁忌のハーブを間違って飲んでしまったとしても、あまり神経質にならないようにしてください。妊婦さんにとってはストレスも大敵です。ハーブティーを飲んだことが影響なかったとしても、考えすぎてストレスでお腹が張ることもあります。

どうしても不安な場合は、医師や薬剤師、自然療法士、ハーバリストなどに相談するのがよいでしょう。

ネットの情報を鵜呑みにしないで!

「妊婦 禁忌 ハーブティー」や「妊娠中 ハーブ 禁忌」などと検索すると、妊娠中のハーブティー飲用についてたくさんの記事が出てきます。

この記事を読んでくださっている方も目にしたことがあるんではないでしょうか?

確かに子宮収縮を促したり、ホルモン作用があるハーブは絶対に飲んではいけませんが、ローズヒップやダンディライオンなどは妊娠中でも安心して飲むことができます。

ただし妊娠中に安心して飲むことが出来るハーブでも、一度に大量に飲んだり、濃いハーブティーをたくさん飲んだり、飲み物を全てハーブティーに変えるなどの無茶な飲み方をすれば、もちろん体にとって毒になります。

妊娠中はお腹の赤ちゃんのこともあり、とにかく慎重になるのはあたりまえです。あれもだめ!これもだめ!と書いてある記事を見ると、「何飲んだらいいの?」と不安や神経質になって逆にママにも赤ちゃんにもストレスがかかってしまいます。

ネットやSNSの情報を鵜呑みにしないで、信頼できるところから情報を得て、妊娠中も安心安全にハーブティーを飲んで、快適なマタニティライフを送ってくださいね!

こちらもぜひ参考にしてくださいね!

まとめ

妊娠中に禁忌のハーブは数多くありますが、それ以上に妊娠中に大活躍してくれるハーブも多数あります。

間違った飲み方や妊娠中に禁忌のハーブに注意して、妊娠中も上手くハーブを取入れれば、マタニティライフをもっと快適に送ることが出来ます。

自然の力を味方につけて、楽しく快適なマタニティライフを送りましょう。

 

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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