セントジョーンズワートの効果・禁忌・薬との飲み合わせについて

夏に黄色の花を咲かせるセントジョーンズワート(和名は西洋オトギリソウ)。

古代ギリシャ時代からヨーロッパの伝統医学に使用され、別名「サンシャイン・サプリメント」と呼ばれ、季節性感情障害(SAD)や更年期、月経前症候群、火傷や創傷等に使われてきた歴史のあるハーブです。

現在でも精神疲労や更年期、抑うつ等に対してハーブティーやサプリ等で販売されています。

日本ではハーブティーは食品扱いで、誰でも気軽に購入することが出来ますが、セントジョーンズワートは薬の飲み合わせが非常に悪く、飲み方には厳重な注意が必要です。

厚生労働省や各県の薬剤師会が注意喚起を載せているので、使用する場合はよく読んで使用する、すでに薬を飲んでいる方は医師や薬剤師に必ず相談してから使用してください。

セントジョーンズワートについて下記にまとめました。

セントジョーンズワートとは

学名:Hypericum perforatum

英名:St.John’s wort、hyperium、Klamath weed、goatweed

和名:西洋オトギリソウ

科名:オトギリソウ科

使用部位:開花時の地上部

6月下旬頃に黄色い花を咲かせるセントジョーンズワート。十字軍の戦場でエルサレムの聖ヨハネ騎士団がセントジョーンズワートを傷の手当てに使ったのが名前の由来と言われています。

毎年6月24日の洗礼者ヨハネの日(St.John’s Day)に収穫すると最も治癒力が高いと言われ、聖ヨハネ(St.John)の祝日頃に花が咲くことから、セントジョーンズワートと呼ばれています。

古代ギリシャ時代から腎臓や肺疾患、うつや不眠、月経困難症、傷の手当てに使用されてきた歴史があり、古代ギリシャ「医学の父ヒポクラテス」の文献にも記載されています。

黄色い花が「黄胆汁」を連想させるため、黄疸やヒステリーにも用いられていたと言われています。ドイツでは伝統的な医薬品として、抑うつ症状への効果があるメディカルハーブとしてサプリメントやハーブティーとして飲用されています。

近年では抑うつや悲観、恐れ、絶望などに対する効果が研究で確認され始めてきました。

現在では冬期うつや梅雨時期の抑うつ等の季節性感情障害、月経前症候群や更年期の抑うつ等、神経疲労等にサプリメントやハーブティーとして販売されています。

なぜ「抑うつ」によいと言われているのか?

なぜセントジョーンズワートがうつによいと言われているか様々な諸説があり、含まれる成分も150種類以上のため、精神症状に対する臨床効果がどの成分に由来するか、またはどのような作用機序があるか等は解明されていません。

主に効果を発揮するのは含有成分のヒペルフォリンと言われていますが、ヒペルフォリンを含まないセントジョーンズワート抽出物にも効果を示したという報告もあり、タンニンやフラボノイド等の含有成分が関与しているという研究報告もあります。

約2,700人を対象に23の臨床試験が報告されており、3試験を除いたすべての試験で、抑うつに対するセントジョーンズワートの有効性が認められたと報告されています。

軽度の抑うつに対する短期間のセントジョーンズワートの服用は有害作用が少なく、有効性が確認されています。抗うつ剤のSSRIと同程度の効果があり、また同じくらい安全だと報告されています。

ただし、この研究結果はあくまで軽度~中等度の抑うつの方を対象にし、かつ4~12週までの短期間での研究結果になります。数ヶ月以上の長期間摂取した場合や重度の抑うつ、希死念慮の高い方は該当しません。

また、ドイツではうつに対して医薬品として錠剤が処方されていますが、米国食品医薬品局(FDA)はうつ病に対する市販薬または処方薬としての承認をしていません。未だ解明されていないことが多く、現在使用されている医薬品のように確固たるエビデンス(根拠)が乏しいことが関係していることのでないかと思われます。

更年期の症状、外用として精油成分の創傷治癒に関しては、確証を得るためのエビデンス(根拠)は不十分であると言われています。

摂取する際に注意すること

①薬との併用について

セントジョーンズワートは薬との相性が非常に悪いため、薬との飲み合わせには厳重な注意が必要です。多くの薬の代謝に影響を与えることが知られており、重い副作用を起こす危険があります。

厚生労働省eJIM「統合医療」に係る情報発信等推進事業のサイトでは「これまでに解明されていること」として、セントジョーンズワートはさまざまな薬と危険な、時には命を脅かすような相互作用を引き起こすことが明確に示されています

厚生労働省のサイトではセントジョーンズワートと以下の薬剤を併用することで薬の効果を弱める可能性があると記載があります。

抗HIV薬(インジナビル他)
心臓病治療薬(ジゴキシン他)
免疫抑制剤(シクロスポリン他)
テオフィリン(気管支拡張剤)
ワルファリン(血液凝固防止剤)および類似抗凝固剤
経口避妊薬

その他にも、セントジョーンズワートとの併用により効果が減少や増加するおそれの高い医薬品(抗うつ薬、抗てんかん薬、イリノテカン等の抗がん剤、シンバスタチンなどの特定のスタチン系薬剤、トリプタン系片頭痛治療薬など)もいくつかあり、上記の薬剤以外でもセントジョーンズワートとの併用には注意が必要です。

特に抗うつ薬内服中にセントジョーンズワートを併用してしまうと、セロトニン症候群を引き起こす危険もあり非常に危険です。

※厚生労働省「セロトニン症候群」

セントジョーンズワートはまだ解明されていないことが多く、その他の薬品でも効果が減弱したり、増強したりする危険や可能性があります。

医師や薬剤師でもない限り、薬品名を聞いただけでは安全かの判断は非常に難しいため、薬を飲んでいる人はセントジョーンズワートを飲まないほうが安全、または必ず医師や薬剤師に確認してから使用するようにしましょう。

②副作用について

セントジョーンズワートを大量に摂取後、日光や紫外線に当たると日光過敏症を引き起こし、皮膚のトラブルを起こす可能性があります。

セントジョーンズワートに含まれるヒペリシンが日光に対する感受性を高めるために起こると言われています。

セントジョーンズワートを飲んだ後は日光に当たらない方がよいでしょう。

妊娠中・授乳中の使用に関して

妊娠中および授乳中にセントジョーンズワートを使用してはいけません。妊娠中のセントジョーンズワート摂取に関しては、海外の研究では動物実験において先天異常を引き起こすことが確認されています。

授乳中に関しては、セントジョーンズワートを摂取した母親の母乳を与えた乳幼児が疝痛、眠気、ぐずり泣きを起こす可能性があることが示唆されています。

※疝痛とは腹部内部の激痛のこと。「さしこみ」とも言う。

まとめ

セントジョーンズワートは「うつによい」と言われ、サプリやハーブティーなどの形態で販売されています。日本では食品扱いのため、誰でも購入することができ、誰でも許可なく使用することができます。

しかし一部の薬品との併用は重篤な副作用をもたらす危険があるため、すでに病院で処方された薬を飲んでいる方は絶対にセントジョーンズワートとの併用を避けねばなりません使用する場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。

薬を飲んでいない方が使用する場合であっても厚生労働省厚生労働省eJIM「統合医療」に係る情報発信等推進事業のサイトを確認してから使用したり、上記の記載の禁忌薬を飲んでいなくても、薬を飲んでいる方は必ず医師や薬剤師に相談してから使用するようにしましょう。

安全に使えばメリットもたくさんあるハーブです。ぜひ参考にしてみてください。

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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