妊婦さんに多いマイナートラブルのひとつ「むくみ」。足がぱんぱんに浮腫んで痛みが出たり、起床時に手が握りにくかったり、多くの妊婦さんを悩ましているマイナートラブルではないでしょうか。
妊娠中の浮腫みは妊娠にともなう生理的なものが原因で起こることがほとんどのため、日常生活の中で浮腫み解消に役立つマッサージや飲み物・お茶を飲んで改善していくことが、妊娠中のむくみ解消の大きな鍵となってきます。
今日は妊婦さんの浮腫み解消におすすめの飲み物・お茶を助産師ハーバリストがご紹介致します。ぜひ毎日の飲み物に取り入れて浮腫み解消に役立ててください。
浮腫みにおすすめの飲み物・お茶
妊娠中はノンカフェインのハーブティーがおすすめです。ドラッグストアやネットでもすぐに手にはいるハーブばかりです。ぜひ参考にしてくださいね。
1.リンデン
2.スギナ
3、どくだみ
4、クミスクチン
1.リンデン
日本ではあまり聞き慣れないハーブですが、ハーブ大国ヨーロッパではとても人気のハーブです。
さまざまな薬効を持つことで知られるリンデンですが、フラボノイドという成分を豊富に含むのが特徴です。フラボノイドは発汗作用や利尿作用があるので、リンデンには汗や尿を体の外に排出して、浮腫みや高血圧改善に有効と言われています。
また発汗作用があるため、風邪の引きはじめに飲むと体の外に毒素を排出してくれる働きもあります。「妊娠中は薬をあまり飲みたくない」と考えている妊婦さんも多いので、その点でもリンデンは妊娠中におすすめのハーブと言えます。
味は草独特の味は少なく、甘みも少しあり、とてもおいしいです。ハーブティーを入れた時に香るリンデンの香りには、気持ちを落ち着かせたり、イライラを鎮めたりする働きもあるため、飲む時はまずは深呼吸してから飲むのがオススメです。
2.スギナ(ホーステール)
庭やあぜなどに多く生息している「スギナ」。庭などの一度根付くとやっかいな雑草ですが、実はすごい薬効を秘めています。ちなみに春先になるとスギナの横に生えるのが「つくし」です。(正確にはスギナの胞子茎を土筆と言います)
スギナはヨーロッパでは古くから「緩和な植物性利尿剤」と呼ばれ、膀胱炎や尿道炎などの泌尿器系の感染症に使われていた歴史があります。
心臓や腎臓の悪い妊婦さんは飲むことが出来ないハーブですが、特に妊婦健診で異常を指摘されていない妊婦さんなら安心して飲むことが出来ます。
※道端に生えているスギナを自分で採取して飲まないでください。
3.どくだみ
スギナ同様に日本のハーブの代表「どくだみ」。咲いている時は独特な香りがしますが、乾燥してお茶にすると香りが弱まるため、飲みやすくなります。
デトックス作用が強いのが特徴で、尿を出やすくして浮腫みを改善する働きがあります。
また便通を整える働きもあるため、妊娠中はオススメのハーブです。
※ 道端に生えているどくだみを自分で採取して飲まないでください。
4.クミスクチン
沖縄3大ティーのひとつ「クミスクチン」。別名「ネコのひげ」と呼ばれている日本のハーブです。インドネシアやマレーシアでは古くから「腎臓のお茶」として使われてきた歴史があります。
クミスクチンは体の水分の排泄を促すだけではなく、高血圧の原因になるナトリウムや塩素、尿酸などの窒素化合物の排泄を促す働きもあります。
また体から余分なナトリウムを排出するのに役立つミネラル「カリウム」を豊富に含んでいるのも特徴です。
腎臓の機能を高めてくれるため浮腫みにはとてもオススメです。
飲む時に注意すること
1.自分で採取したハーブは飲まないこと
スギナ、どくだみはよく庭や道端で見かけますが、決して自分で採取して飲まないでください。犬や猫の糞、農薬などにさらされている危険があります。絶対に販売されているものを飲んでください。
2.飲む量に気をつける
尿や汗、便などで体に溜まった毒素や老廃物を排出することはいいことなのですが、妊娠中は新陳代謝が普段より高いため、汗もかきやすくなります。
そのため、ハーブの利尿作用がプラスすると、水分を体の外に出しすぎて脱水になってしまう危険があります。特に夏場は注意が必要です。脱水や熱中症予防の水分補給にはハーブティーは絶対に使わないこと。
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一日に飲む量の目安は1回1~2g、ティーカップ1~2杯まで、一日1~2回までにしてください。妊娠中は妊娠していないときよりも薄めで飲んでください。
3.体調に不安があるときは飲まない
妊娠中は体調の変化も激しい時期です。体調が芳しくない時や体調に自信がない時は絶対に飲まないようにしてください。
また、ハーブが浮腫みにいいと分かっていても不安や心配があるときは飲まない方が無難です。心配や不安はストレスとなり、逆にお腹が張ったり、気分が悪くなったりする危険があります。(ストレスは妊娠中も最大の敵です)
なぜ妊娠中はむくみやすいの?
妊娠すると女性ホルモンのプロゲステロンが急激に増加します。妊娠中はつねにプロゲステロンが優位になります。
プロゲステロンは妊娠を維持するために必要なホルモンですが、皮下組織に水分を溜める働きがあるため妊娠中はむくみやすい状態になります。
妊娠すると(とくに妊娠後期)血液の血漿成分が増えるため血液が薄まります。血管から水分がしみ出し、それを調整しようとするためにむくみが起こりやすくなります。
大きくなった子宮に圧迫されて下半身の血液が心臓に戻るのを妨げるため、また運動不足や足の筋肉低下により足のポンプ機能が低下し、下半身に血液やリンパ液などの体液が滞るためにむくみが起きやすくなります。
手軽に摂れるインスタント食品や加工食品は塩分が多く含まれています。塩分を多く摂ると体中の水分濃度を下げようとして、水分を溜め込みやすくなり、むくみとなって表われます。
飲み物以外のむくみ対策
お風呂にゆっくり入ったり、お風呂後オイルでマッサージするのも効果的です。ただし、足には大切なツボや経絡がたくさんありますので、ぐいぐい押すのはよくありません。下から上へオイルでやさしく流すようにマッサージしてください。
また重力で血液は下に溜まりやすいため、寝るときに足を上げて寝ることもおすすめです。クッションや座布団を足の下に挟んで就寝するとよいです。
まとめ
妊娠中の浮腫みは妊娠に伴う生理的なものと分かっていても、実際に足や手がパンパンに浮腫むととてもつらいもの。
ぜひ妊娠中のつらい浮腫みに役立ててくださいね。
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