【助産師執筆】ローズヒップティー妊娠中に飲んでもいいの?効果効能は?

女性に人気のハーブNo.1といえばローズヒップと言われているぐらい、女性に人気のハーブローズヒップ。ビタミンCがとても豊富で、便秘解消やしみやしわ予防にも一躍かってくれます。意外にもストレスや風邪などの時にも役立つハーブ、ローズヒップ。

おすすめの飲み方や効果・効能、飲む際に注意することなどを解説していきます。

また妊娠中に飲んでも大丈夫?の疑問に対しても、解説しています。

妊娠中は飲む量・回数・飲み方に注意が必要!

妊娠中の便秘解消にもとても役に立つローズヒップですが、妊婦さんは特に飲み方に注意が必要です。

飲む量や飲む回数は上記に書いた量や回数より少なめで、薄めで飲んでください。

妊婦さんがローズヒップをたくさん飲んで下痢をしてしまうと、それが引き金になって切迫流産や早産になってしまう危険があります。

妊娠中はローズヒップに限らずハーブ全般に言えることですが、いつもより量は少なめで、いつもより薄め、体調に自身がないときは飲まないようにしてください。

 

妊娠中にローズヒップティーを飲む時に注意することを以下にまとめました。これは他の妊娠中に飲めるハーブにも共通しているので、ぜひ参考にしてください。

①お腹に張りを感じる人は飲まないこと!

②最近、出血があった人は飲まないこと!

③妊娠経過に何か異常がある人は飲まないこと!

④ウテメリンなどの張り止めを飲んでいる人は飲まないこと!

⑤双子妊娠中、逆子、帝王切開予定の人は飲まないこと!

⑥1日または1回の摂取量をしっかり守る!

⑦1日1回~2回まで(出来れば1回)、一回の量はティーカップ1杯まで!

⑧いつもより薄めで飲むこと!一回のハーブは1gで十分!

⑨体調に不安があるときは飲まないこと!

⑩はじめは少量飲んで、お腹が張ったりしなければ量を増やす。

⑪お腹に張りや異常を感じたら、すぐにかかりつけの病院を受診すること!

⑫少しでも不安なことがあるなら、飲まないこと!

ローズヒップとは?

学名:Rosa canina

分類:バラ科バラ属

ローズヒップはバラの果実のことです。小さくて真っ赤な果実の一粒一粒にビタミンなどの豊富な栄養がぎっしりとつまっています。

この実を乾燥させたものをローズヒップティーとして飲むことができます。ハーブティーとして飲めるローズヒップは学名Rosa caninaと言われる種類で、通称ドックローズとよばれています。カニナ種のローズががドックローズとよばれるのは、その昔、狂犬病に噛まれた際に治療に使われたためと言われています。

そのほかには種を圧搾してオイル(油)を抽出したものをローズヒップオイルとよんで、アロマテラピーやスキンケアなどに使われています。

味は酸味が強い!と思われがちですが、酸味が強いのはどちらかというとハイビスカスです。ローズヒップはほどよい酸味と甘みが口の中に広がり、とてもまろやかで飲みやすいハーブティーです。

ローズヒップの栄養成分

ローズヒップはレモンの20~40倍のビタミンCを含んでおりビタミンの爆弾と言われています。そのほか、フラボノイド、果実酸、ペクチン、ビタミンB2、ビタミンE、タンニン、脂肪酸を含んでいます。そのほかには牛乳の9倍のカルシウム、ほうれん草の2倍の鉄分を含んでいます。また、脂肪酸を多く含んでいるためオイルを抽出することが可能なハーブです。ローズヒップの代表的な成分をご紹介します。

①ビタミンC

通常、ビタミンCは熱に弱く壊れやすいのですが、ローズヒップのビタミンCは酵素やビタミンPの働きによって、熱を加えても壊れにくいビタミンCです。さらにビタミンCには腸内の善玉菌を活発にしてくれる働きもあります。

②カロテノイド

リコピンとβーカロテンを多く含んでいます。

リコピンは抗酸化作用が強く、その抗酸化力はβーカロテンの2倍以上、ビタミンEの約100倍ともいわれています。βーカロテンもリコピンと同じく強力な抗酸化作用があります。

色が赤いのはリコピンやβーカチンなどを含んでいるため、カロテノイド色素の色のためです。トマトの約8倍以上のリコピン、約20倍以上のβーカロテンを含んでいると言われています。

③ペクチン

水溶性の食物繊維です。整腸作用や下痢や便秘を予防する働きがあります。またコレステロールや上昇を抑えたり、血糖上昇を抑制する働きもあります。

④植物酸

植物や果実に含まれるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸のことをいいます。水に溶けやすく酸味があり、疲労回復や便秘予防に役立ちます。

ローズヒップティーの効果・効能

①美肌効果

ローズヒップにはビタミンCが多く含まれていますが、ビタミンCはコラーゲン生成に関与しているので、シミやしわ・たるみを防いで美肌へと導いてくれる働きがあります。ビタミンCが身体の中から効率的にコラーゲンを生成してくれるため、しわやたるみのない美肌へと導いてくれるのです。

ビタミンAとビタミンEには抗酸化作用があるため、肌のターンオーバーの促進を助けてくれる働きがあります。さらにビタミンEにはお肌を紫外線から守る働きもあるため、紫外線対策にも有効です。

②便秘解消

水溶性食物繊維のペクチンが便秘解消に役立ちます。腸内に入ると善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やしてくれます。善玉菌が増えると腸内環境も良くなるので、その結果便秘解消につながります。

そのほか水溶性食物繊維は腸内で水分を吸収してゲル状になり、コレステロールやナトリウムを便と一緒に排出してくれる働きもあります。

③疲労回復

ローズヒップにはビタミンCが豊富に含まれているため、ストレスや風邪などで大量にビタミンが壊された時の補給にもなります。また新陳代謝をよくして疲労回復にも役立ちます。疲労回復にはハイビスカスとのブレンドがおすすめです。

ローズヒップの副作用

美肌にもなれて便秘解消もしてくれて、とても役立つローズヒップですが実は副作用もあります。

一般的な量を飲めば特に問題ないのですが、一度にたくさん飲んだり一日に何回も飲んでしまうと、お腹が緩くなり下痢を起こす危険があります。お腹が日頃から弱い人は特に危険です。

特によく販売されているローズヒップティーはハイビスカスとのブレンドが多いですが、実はハイビスカスも緩下作用(便を出す作用)があるので、一度にたくさん飲んだりすると非常に危険です。

身体にいいからといってたくさん飲んでしまうと、逆に悪影響を起こしてしまうので、飲むときは飲む量や飲む回数に気をつけましょう。

ローズヒップティーの飲み方

一回量:ティーカップ1~2杯

一日の回数:1~3回まで

飲み方

①ローズヒップをティーポットに入れる。ローズヒップは他のハーブより重さが重いので、目安としてはティースプーン山盛り一杯が目安です。

②ティーポットに熱湯を約200cc注いで、蓋をする。

③5分蒸らす。

※15分以上蒸らすとローズヒップのペクチンの効果でハーブティーがとろとろしてきます。胃の調子が悪いときや喉の調子が悪いときは15分以上蒸らしてとろとろになってハーブティーを飲むと、胃や喉を保護してくれる働きがあります。

④ティーカップに注ぐ。お好みではちみつを入れるとさらに飲みやすくなります。

ハーブティーは水に溶ける成分しか抽出出来ません。ローズヒップはリノール酸やリノレン酸などの脂肪酸をたくさん含んでいるので(脂肪酸は水に溶けません)、出来ればローズヒップそのまま頂くと、全ての栄養成分を摂ることが出来ます。ハーブティーとして飲んだ後に、熱湯を足して15分~30分以上蒸らすと柔らかくなります。

他のハーブとブレンドしてあってもこの回数は守った方がいいです。なぜならローズヒップと相性のいいハーブであるハイビスカスやカモミールも一度にたくさん飲んでしまうと、お腹を緩くして下痢を引き起こす危険があるからです。

まとめ

美肌効果や便秘解消効果など女性ににとっては力強い味方のローズヒップ。飲む量や飲み方をしっかり守って、ぜひ毎日の健康と美容に取入れてくださいね。

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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