【助産師執筆】産後・出産後にラズベリーリーフティーがおすすめの理由

陣痛や帝王切開を乗り越えて赤ちゃんとの感動の対面もつかの間、出産後すぐに始まる赤ちゃんのお世話。

体は疲労でヘトヘトだし、体中のあちこちが痛いし、それでも赤ちゃんのお世話は待ったなしです。一説によると産後のママの体は交通事故に遭遇したときと同じくらいダメージがあるそうです。

そして3時間ごとの授乳におむつ替え、睡眠不足から疲労はどんどん蓄積し、疲労や睡眠不足からイライラ、急に悲しくなるなど心も疲れてきてしまいます。

以上の理由からも産後・出産後はまずはママの体の回復を早めることが、その後の育児を楽しく乗り越える鍵となってきます。

産後・出産後の体の回復を助けてくれるラズベリーリーフティーが産後なぜおすすめなのかを助産師ハーバリストが解説します。

ラズベリーリーフとは?

学名:Rubus idaeus

和名:ヨーロッパキイチゴ

科名:バラ科

ヨーロッパでは古くから「安産のお茶」と呼ばれ、出産準備や産後の回復に助産師やハーバリストたちに使用されてきたハーブです。

子宮や骨盤回りの筋肉を調整する働きがあるため、陣痛の痛みを和らげたり、生理痛や生理前症候群の不快な症状を和らげてくれる働きがあります。ラズベリーリーフがなぜ出産準備や痛みを和らげる働きがあるのかは科学的に証明されていませんが、古くからの経験や知恵から効果を実証してきた歴史があります。

ビタミンCやタンニン、ミネラル、ポリフェノールを豊富に含み、ノンカフェインのため妊娠中も授乳中も安心して飲むことが出来ます。

ラズベリーの実はよくケーキなどの飾り付けに使われていますよね。実は葉には妊娠から出産、産後まで大活躍してくれる嬉しい効果が満載なんです。

味はほとんどくせがなくて、番茶のような風味があり、とても飲みやすいお茶です。

こちらもおすすめ:ラズベリーリーフティーが安産をサポート!いつから飲めばいいの?

なぜ産後・出産後におすすめなの?

1.産後の出血を止める働きがある

ラズベリーリーフティーには「フラガリン」という成分が含まれているのですが、このフラガリンは子宮収縮作用があるため、産後の出血を少なくする働きがあります。

出血が多く貧血になると、母乳の出が悪くなったり、頭痛やふらつき、めまいがしたりと産後の回復が大幅に遅れる原因にもなります。

2.母乳の分泌促進効果が期待出来る

子宮の収縮が促進されると、母乳が促進効果が高まります。また母乳が出ると、子宮収縮が促されます。

「赤ちゃんにおっぱいを吸われると子宮辺りが痛い(後陣痛)」。出産を経験したママなら経験あるんではないでしょうか?まさにそれなんです。

3.産後の体の回復をトータルサポート

子宮が収縮し、子宮の戻りが順調だと、それに伴って母乳の分泌も期待出来ます。母乳がよく出ることは母乳の最大の悩み「母乳が出ない」悩みも解消され、ストレスがひとつでも減ることに繋がります。

子宮の戻りが促進されつつ母乳分泌も促してくれて、産後の体をトータル的にサポートしてくれる働きがあります。

4.気持ちに余裕が生まれる

産後の体が早くに回復することでママ自身にの気持ちに余裕も出来て、赤ちゃんにも回りにも優しくなれ、育児を楽しいと感じることが出来るようになります。

産後は女性ホルモンの急激な減少によって、誰しも少なからず気分のムラや気持ちが不安定になることがあります。

さらには産後の体の痛みや睡眠不足、疲労、思い通りにいかない育児に疲弊して、心はどんどん疲れてしまいます。そうならないためにも、産後は特にママの体の回復を促すことが重要です。

おすすめの飲み方

ハーブの量:ティースプーン軽く1杯程度(約2g)

お湯の量:熱湯を約180~200cc

ドライハーブをティーポッドに入れて、熱湯を注ぎます。3~5分蒸らしてティーカップに注げばできあがりです。

ラズベリーリーフティー単独でもくせがなく飲むことが出来ますが、カモミールやローズヒップ、レモングラス、ほうじ茶、デカフェの紅茶などとブレンドするとさらにおいしくお飲み頂けます。

ちなみに私個人のおすすめはカモミールとのブレンドです。産後は疲れや睡眠不足からイライラや気持ちが落ち込んだり、産後の心はジェットコースターです。そんな心を優しくいやしてくれるのがカモミールです。

ぜひブレンドして飲んでみてくださいね!

飲む際の注意点

1.空腹時には飲まないこと

あまり知られていないのですが、ラズベリーリーフティーには粘膜や組織をキュッと引き締める働きがあるため、空腹時に飲むと胃が痛くなる危険があります。

とくに出産直後は食事が取れていないことが多く、急にラズベリーリーフティーを胃に入れてしまうと胃痛や吐き気の原因になることもあります。

そのため、空腹で飲むことを避けて飲むか、胃を保護する働きがあるカモミールやローズヒップなどとブレンドしてのむことをおすすめしています。

2.便秘の方はたくさん飲まないこと

上記にも記載しましたが、ラズベリーリーフティーには粘膜や組織をキュッと引き締めるタンニンが豊富に含まれています。そのため、メディカルハーブとして下痢止めとして使われることが多々あります。

便秘が酷い方や便秘症の方は飲む量に気をつけないと、便秘をさらに助長しかねません。産後は子宮回りの筋肉や靱帯が緩んでおり、また会陰の傷も相まり、排便時になかなか力めないママも多くいらっしゃいます。

便秘がひどいママは薄めのハーブティーを飲むか、飲む量を少なくするか、または飲む回数を減らすか、体調に合わせて調節してくださいね。

まとめ

産後は慣れない育児や睡眠不足で身体はどんどん疲弊してきます。ママの身体の回復が早いと育児に対して前向きになれたり、気持ちに余裕ができたりします。

実際はなかなか難しいかもしれませんが、産後・出産後はまずは自分の身体の回復を一番に考え、ラズベリーリーフティーで産後の身体の回復に努めましょう。

それは産後の身体の回復のみならず、育児にも影響を与えます。

ラズベリーリーフティーで産後を回復を速やかにし、赤ちゃんとの大切な時間を楽しみましょう。

※ラズベリーリーフティーが産後の身体の回復を促すという科学的根拠はありません。しかし、ママの気持ちが楽になり、産後の身体の回復が促進でき、育児を楽しいと思えるのであれば、どんな方法でもいいと私は考えています。

 

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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