【助産師執筆】陣痛・出産に役立つおすすめなアロマ

アロマを妊娠・出産・産後に取り入れる人が増えてきました。しかし、アロマは使い方次第で安全で効果を十分に発揮し、役に立つ反面、間違った使い方をすると毒となり危険です。

今日は出産時に役立つおすすめの精油、どんな時に役立つのかなどを助産師・植物療法士がご紹介します。正しい使い方をして、ぜひあなたの大切な出産に役立ててください。

出産におすすめのアロマは?

アロマも種類がたくさんあり、どれが出産に役に立つのか、どれを購入したらよいのか迷いますよね。アロマは小さな瓶ですが一回の使用量は2~3滴程度と少ないので、意外にも使用期限までに使い切らずに残ってしまうことが多いんです。

ちなみに使用期限は柑橘系であれば開封後6ヶ月、その他のアロマは基本的に開封後1年です。

アロマ一本あたりの価格もそこまで安くはないため、これもいいからあれもいいからとたくさん購入してしまうと、最後は捨てることになりかねません。

だからこそしっかりと選んで購入し、使用して欲しいと思っています。

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第1位:自分の好きなアロマ

えっ!?と思われるかもしれませんが、実は自分の好きなアロマが出産時に一番役に立ちます。

例えば「リラックスにラベンダーがいいよ」とおすすめされて、あまり好きな香りじゃなかったら実は逆効果なんです。

とくにこれは出産時にはとても大切なことで、好きな香りを嗅いで「いい匂い」と感じると幸せホルモンと言われているオキシトシンが分泌されます。

実はこのオキシトシンこそが出産を進めるのにとても役立ちます。オキシトシンには子宮収縮効果があり、陣痛をつけて出産をスムーズに進める働きがあります。

好きな香りを嗅いでオキシトシンが分泌されると、陣痛がついて出産がすすむ!好きな香りでリラックス出来ると、またオキシトシンが分泌されお産が進む。実はこの流れでお産は進んでいきます。

だからこそ自分の好きな香りなアロマが実は出産時に一番役に立つのです。

アロマの専門家やセラピストは「このアロマが陣痛促進にいい」、「リラックスにはこのアロマがおすすめ」とよくいいますが、確かに効果・効能的にはそうかもしれませんが、助産師的目線で出産を見たときはやはり「自分の好きな香りが一番」だと思います。

もちろん妊娠中に使用することが禁忌なアロマもあるので、それ意外を選んでください。

以下にまとめたアロマなら出産時にも安心して使用することができます。

出産時に使用できるアロマ

マンダリン・スイートオレンジ・ベルガモット・真性ラベンダー・ローマンカモミール・イランイラン・ティートリー・レモン・グレープフルーツ・プチグレン・クラリセージ・パルマローザ

第2位:クラリセージ

出産時にとても役に立つアロマのひとつ「クラリセージ」。

クラリセージにはホルモン作用があり、出産が順調に進むのを助ける働きがあります。

筋肉の緊張をほぐす働きもあるので、緊張で体が力がはいっている産婦さんにも役立ちます

また強壮作用(心身の活力を高める作用)があるため、長い陣痛で疲労困憊で微弱陣痛(分娩が進行しない陣痛)になってしまったときにもとても役に立ちます。

クラリセージは子宮収縮作用があるため出産時にはとても役に立つアロマですが、妊娠中は使用禁止です。

第3位:パルマローザ

スキンケアによく使われるアロマとして有名ですが、実は出産時にも大活躍してくれます。

パルマローザの成分のひとつに子宮収縮作用があるため、陣痛促進に役に立ちます。また不安や緊張を和らげ、気持ちを明るく出産に対して前向きな気持ちになようにサポートしてくれます。

パルマローザは子宮収縮作用があるため出産時にはとても役に立つアロマですが、妊娠中は使用禁止です。

出産時にアロマを使う時の注意点

①使用する時は必ず産院のスタッフに確認する。

出産時にとても役にたつアロマですが、使用するときは必ず産院の助産師・スタッフに許可をもらってから使用してください。

病院やクリニックには異常時のために枕元や部屋の中に酸素が設置してあることがほとんどです。アロマオイルは油のため、酸素や医療器具の近くで使用すると引火して火事を引き起こす危険があります。

分娩室や陣痛室、産院のお部屋でアロマを使用する時は必ず助産師またはスタッフの許可をもらってから使用してください。

後期の母親教室や妊婦健診で助産師や医師・スタッフに確認しておくとよいでしょう。産院にもアロマが常備してあることもあるので、興味がある方は一度聞いてみるとよいでしょう。

②適切な使用量を守ること

使用量を守らずたくさん使用してしまうと、匂いで気分が悪くなる危険があります。

とくにエアコンを使用して窓を閉め切っているときは、特に注意が必要です。

柑橘系はわりとすぐにかおりが飛んでしまいますが、イランイランやクラリセージ、ラベンダーなどはかおりが強いため、逆に気分が悪くなる危険があります。

使用量をしっかりと守り使うようにしてください。

出産時のアロマの使い方

自宅と違い産院でのアロマ使用は、各々の産院によって違ってくると思いますが、自分で簡単にできるアロマの使い方をお伝えします。

①ハンカチ・ティッシュにアロマを1~2滴垂らし、芳香浴を行う。

アロマポッドなどがなくても簡単に芳香浴ができます。アロマを垂らしたハンカチやティッシュを枕元に置いたり、肌に触れないように深呼吸するだけでアロマの効果を十分得ることが可能です。とても簡単に自分で出来るため、とてもオススメです。

②アロママッサージで使用する。

産院の許可が下りたら立ち会い予定の方に腰や足をマッサージしてもらうとよいでしょう。マッサージの方法は特に決まっていないので、産婦さんのマッサージして欲しい場所を相手に伝えてマッサージしてもらいましょう。

マッサージを行うときは必ずホホバオイルなどのキャリアオイルに混ぜてから使うようにしてください。絶対に直接肌に塗ってはいけません。

濃度は0.5~1%です。特記事項がなければ基本的に精油1滴0.05mlなので、キャリアオイル10mlに精油1滴で0.5%、精油2滴で1%になります。必ず濃度も守ってください。

③足湯に使用する。

陣痛がなかなか強くならないときや、なかなか体の力が抜けないときに特におすすめです。

内くるぶしから指4本分上にある「三陰交」というツボを温めるとお産が進むと言われています。三陰交をアロマ入りの足湯で温めることにより、お産の進行を進めたり、リラックスにとても役に立ちます。

足湯のバケツは産院でも用意してあることがあるので、妊婦健診や母親教室で聞いてみるといいですね。

ちなみにお湯に直接アロマを垂らすことは肌にアロマが接触して危険なので、必ずバスソルトやキャリアオイルに混ぜてから使用するようにしてください。

まとめ

出産時にアロマを使用することでリラックス出来たり、出産に対して前向きになれたり、陣痛促進作用があったり、分娩時のアロマ使用はメリットがたくさんです。

ぜひ出産時にアロマを使って、自分だけの出産をおもいっきり楽しんでくださいね。

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執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

アロマを使う時の注意 出産 陣痛時
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