【助産師執筆】妊娠中のハイビスカス。飲んでも大丈夫?

さわやかな酸味と鮮やかな赤色のハイビスカスティー。美容目的で日頃から飲用している女性も多いのではないのでしょうか?ミネラルや植物酸などの栄養を豊富に含み、「天然のスポーツドリンク」と呼ばれ、肉体疲労や眼精疲労、便秘や肩こりなどにとてもおすすめのハーブです。

ミネラル補給や便秘などにおすすめなハイビスカスなのですが、妊娠中に飲んでも大丈夫なのか?について助産師ハーバリストがまとめました。

ハイビスカスとは?

学名:Hibiscus sabdariffa

英名:Red Sorrel

別名:ローゼル

科名:アオイ科

ハーブティーで使用する部位:がくの部分

鉄やカリウムなどのミネラルやクエン酸・ハイビスカス酸などの植物酸を豊富に含むハイビスカスは体の代謝を促進して、肉体疲労や肩こりに役立ちます。ルビーのようなきれいな赤い色が眼精疲労にも役立つといわれています。

またペクチンを豊富に含んでいるため、便秘改善にもおすすめです。

ハイビスカスを一躍有名にしたのは、東京オリンピックの際にマラソンのアベベ選手やドイツの選手団がハイビスカスティーを飲用して、金メダルを獲得したことによります。その後ハイビスカスは「天然のスポーツドリンク」として一躍有名になりました。

美肌効果を目的に世界中の女性たちに愛され、飲まれているハーブティーです。味は酸味が強く、酸味が苦手な方はハチミツを入れてもおいしくいただけます。ローズヒップとのブレンドが特に有名です。

ハイビスカスは妊娠中に飲んでも大丈夫?

ハイビスカスは禁忌ではないですが、積極的に飲むのは止めておいた方がいいでしょう。

特定非営利法人メディカルハーブ協会が出版している「メディカルハーブ安全性ハンドブック」ではハイビスカスはクラスⅠ( 適切に使用する場合、安全に摂取することができるハーブ )になっています。

『メディカルハーブ安全性ハンドブック』は1997 年に AHPA(米国ハーブ製品協会)によって刊行されたもので、650 品目に及ぶ メディカルハーブを安全性の観点からを7段階にクラス分類し,使用上の注意やハーブ製剤としての使用可否等を科学的アプローチによりまとめた安全性データ、さらに付録として植物化学成分の 解説やメディカルハーブの薬理作用などを収載したもの。日本版は 2001 年に当協会の前身である「メディカ ルハーブ広報センター」の監修によって刊行されました。

しかし、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報によると、ハイビスカスには月経刺激作用があるため流産を起こす危険が示唆されています。示唆であって禁忌ではないですが、止めておいた方が無難であることに変わりはありません。

間違って飲んでしまったら?

間違えて1~2杯飲んでしまっても特に問題はありません。ただし、その後に様子をみて、お腹の張りがおさまらない、出血があるなど、いつもと違う症状や不調があればすぐにかかりつけのお医者さんに受診してください。

妊娠中にどうしても飲みたい!

妊娠中にどうしてもハイビスカスが飲みたい妊婦さんもいるかもしれません。禁忌ではないので、どうしても飲みたい場合は通常より薄めで、1杯程度、体調がよい時に限る、お腹が張っていない時に飲むようにしてください。

切迫流産、切迫早産、張り止めを飲んでいる人、張りやすい妊婦さんは絶対に止めてください。

私の見解としては、ハイビスカスの代わりに妊娠中でも飲めるハーブティーやお茶はたくさんありますので、出来れば妊娠中でも大丈夫な飲み物を選ぶのをオススメしています。

まとめ

ハイビスカスには便秘を改善する働きや、肉体疲労や眼精疲労を改善する働きがあります。ミネラルも豊富に含んでいるため栄養的には妊娠中におすすめですが、流産を引き起こす危険も示唆されているため、あえて飲まない方が無難です。

 

 

 

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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