【助産師執筆】妊娠中の貧血におすすめハーブ3選!数値・症状まとめ

ほとんどの妊婦さんを悩ます貧血。貧血になるとめまいや息切れ、動悸やふらつき、さらには疲れやすくなります。

妊娠中の貧血を改善しないままでいると、出産時に陣痛が弱くなってしまう微弱陣痛になったり、出血が多くなったり、さらに産後は母乳の出を遅らせる原因になります。

鉄剤の副作用がつらくて飲めない妊婦さんもハーブティーならおいしく飲んで貧血改善が期待出来るでしょう。食事と一緒に飲めば鉄分の吸収もアップします。

今日は妊婦さんの貧血におすすめのハーブをご紹介します。

薬とは違うため、ハーブティーで貧血が改善するとは限りません。

妊娠中の貧血におすすめのハーブ3選

  

妊娠中でも安心・安全に飲むことが出来るハーブです。

①ローズヒップ

②桑の葉

③ネトル

第1位:ローズヒップ

ローズヒップはレモンの20~40倍のビタミンCを含み「ビタミンの爆弾」と呼ばれています。その他、果実酸やペクチン、リコピンやβーカロテンなどのカロテノイド、ビタミンEも含んでいます。

なぜ妊婦さんにローズヒップがおすすめかというと、鉄分の吸収にはビタミンCが必要不可欠だからです。鉄分の多い食事を摂ったとしても、そこから摂取出来る鉄は限られています。効率的に鉄を吸収するためには一緒にビタミンCを摂取する必要があります。

しかしビタミンCは熱にとても弱いため、レモンを食材にかけたりしないかぎりビタミンCを摂ることはなかなか難しいです。

ローズヒップのビタミンCは熱にとても強く、熱湯でハーブティーを入れてもビタミンCが壊れることがないのです。鉄分を意識した食事や普段の食事でもローズヒップを一緒に飲めば、効率的に鉄を吸収することが出来るのです。

第2位:桑の葉

日本古来から使われてきた桑の葉。歴史をさかのぼると鎌倉時代から使われていた桑の葉。

桑の葉にはネトルほど多くはないですがクロロフィルを含みます。また鉄やカルシウム、ハーブの中ではとてもめずらしい亜鉛を含むのが特徴です。

特に桑の葉は鉄分を多く含むため、妊婦さんや授乳中のママにはとてもおすすめのハーブです。ビタミンCを豊富に含む柿の葉やローズヒップと一緒にブレンドして飲むことで、効率的に鉄分を吸収することができます。

第3位:ネトル

ネトルは昔から浄血(血液をきれいにする作用)、造血(血液を作る作用)の目的で使用されてきた歴史があります。

ネトルは海藻などに豊富に含まれているクロロフィルをたくさん含んでいます。クロロフィルは植物の葉緑素に多く含まれる緑色の色素で、植物の光合成を担っている成分です。

ネトルに豊富に含まれるクロロフィルが、血液中に含まれるヘモグロビンと化学構造がよく似ているため、ヘモグロビンに似た作用を発揮してくれるのです。このヘモグロビンが少ないと鉄欠乏性貧血を引き起こします。

ネトルは鉄分の他、ビタミンCや葉酸なども豊富に含むため妊婦さんや授乳中のママにとてもおすすめのハーブです。またビタミンCの多いローズヒップや柿の葉茶とブレンドするとさらに効果が期待出来ます。

味はネトル単独だと海藻に近い味がします。他のハーブとブレンドすると海藻のような臭みが消えておいしく飲めます。

ただし、クロロフィルは脂溶性成分であり水に溶けないため出来ればそのまま食べるのがおすすめです。ネトルをフライパンで乾煎りして、ゴマと塩、鰹節、または塩こんぶなどをまぜればおいしいふりかけになります。

じゃあ、ハーブティーとして飲んでも効果はないの?と思われますが、ネトルの成分はクロロフィルだけではなく、フラボノイドやフィトステロール、ビタミンC、カルシウムや鉄などのミネラル、葉酸など鉄吸収に役立つ成分が複合的に含まれるため、食事と一緒に摂ることによって吸収されにくい動物性食品からの鉄吸収をサポートしてくれるのに役立ちます。

「ネトルをハーブティーで飲んでも効果は得られない」と書いてある情報もありますが、クロロフィル単体を飲んでいるわけではないので、絶対的に効果がないとは言えないのです。

なぜ妊娠中は貧血になるの?貧血の数値は?

妊娠するとお腹の赤ちゃんに優先的に鉄が送られるため、妊婦さんは貧血になりやすくなります。

妊娠性の貧血は血液検査でヘモグロビン11g/dl以下、ヘマトクリット33%未満と日本産婦人科学会が定義づけています。

貧血になるとどんな症状が出るの?

個人差もありますが、代表的な症状は以下の症状です。

ふらつき、たちくらみ、めまい

疲れやすい、身体がだるい

頭痛、吐き気

動悸、息切れ

貧血が進むと、急にめまいやふらつきで倒れてしまう危険があります。めまいやふらつきなど、貧血の症状を感じたら外出はせずにゆっくり過ごしましょう。

貧血が妊娠・出産に及ぼす影響

妊娠中に貧血になると上記のような様々な症状が出るのですが、実はそれだけではないんです!!

妊婦さんの貧血は出産時に陣痛が弱くなってしまったり(微弱陣痛)、出産時に出血が多くなってしまったり、さらには産後には母乳の出が悪かったり、産後うつになる危険が高まりと懸念されています。

そのため、妊娠中の貧血は出来るだけ早めに対処し、改善することがとても重要になります。

ハーブティーの飲み方

ネトル、ローズヒップ、桑の葉は単品で飲んでもいいのですが、単品だと味がいまいちで飲みにくいと思います。なのでブレンドして飲むことをおすすめします。

特にネトルと桑の葉は鉄を豊富に含むので、ビタミンCが豊富に含まれるローズヒップと一緒に飲むことで鉄の吸収がアップします。さらに食事と一緒に飲むことで、食事中の鉄吸収率もアップさせる働きがあります。

ネトル、ローズヒップ、桑の葉はほうじ茶や麦茶、黒豆茶、どくだみ茶、ゴボウ茶、ルイボスティーなどと相性がいいのでブレンドしてもおいしく飲むことができます。

1回量:1~2gまで(ティースプーン軽く1杯)

飲む量:ティーカップ1~2杯

1日の回数:1~2回まで

妊娠中は飲む量、飲む回数はしっかり守ってください。また体調がいまいちだな~と感じる時は飲まない方が無難です。

飲む際に注意すること

貧血にはとても役立つハーブティーなのですが、一度にたくさん飲んだり、濃いハーブティーを飲んだり、一日に何回も飲むことは決してしないで下さい。

ハーブティーのほとんどにデトックス作用がありおしっこや近くなったり、お腹が緩くなることがあります。

妊娠していない人だったら「下痢した!」で済むのですが、妊婦さんはそうはいきません。妊婦さんがお腹が緩くなり下痢をしてしまうと、それにともなって子宮が収縮してしまい切迫流産や早産の危険があるからです。

以上のことから妊娠中のハーブティー飲用には注意が必要です。

ただし、そこまで神経質になることはないので、飲む量や飲む回数をしっかり守り、自分の体調と相談しながら飲んでください。

まとめ

鉄剤が気持ちわるくて飲めない妊婦さんにもハーブティーはとてもおすすめです。鉄剤を飲みながらハーブティーも飲むことが出来るので併用したりして、妊娠中の貧血は早めに対処しましょう。

助産師が考案した妊婦さん用ハーブティーは楽天市場で販売中

 

執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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