料理によく使われる「ジンジャー(しょうが)」。生のジンジャーを生姜、乾燥したジンジャーを乾姜と呼びます。体を温める働きや消化機能促進作用、痛みを和らげる働きなどさまざまな働きを持つジンジャー。
実は妊娠中の妊婦さんにジンジャーはとてもおすすめのハーブです。ジンジャーティーが妊娠中のどんな時におすすめかを助産師ハーバリストが解説します。
ジンジャー(しょうが)とは?
学名:Zingiber officinale(ジンギベル オフィキナレ)
英名:Ginger
和名:ショウガ
科名:ショウガ科
使用部位:根部
禁忌:胆石のある人は医師に相談の上、飲用。
相互作用:ニフェジピン(血管拡張薬)との併用で、ニフェジピン単独より明確な抗血小板作用が認められる。
アジア原産のハーブ「ジンジャー」。生のジンジャーを生姜、乾燥したジンジャーを乾姜と呼んでいます。はるか昔から医療に役立てられてきた歴史があります。
生のジンジャー(生姜)には消化機能を促進させる働きがあり、胃腸の不調や吐き気、乗り物酔い、化学療法による吐き気、つわりに役立つと言われています。
乾燥したジンジャー(乾姜)には炎症を抑えて、痛みを和らげる働きがあり、関節炎などの痛み、胃痛、腰痛、肩こりなどに役立つと言われています。
ジンジャーを飲む時に注意すること
以前は生のジンジャー(生姜)のみ妊娠中に飲むことが出来、乾燥したジンジャー(乾姜)は妊娠中に禁忌で飲むことが出来ませんでした。
しかし現在では生のジンジャー(生姜)、乾燥したジンジャー(乾姜)ともに妊娠中の妊婦さんでも飲んでも大丈夫になりました。
メディカルハーブ安全性ハンドブックではクラスⅠ(適切に使用する場合、安全に摂取することが出来るハーブ)に変更になりました。
メディカルハーブ安全性ガイドブックとは?一部抜粋させていただきました。
『メディカルハーブ安全性ハンドブック』は1997 年に AHPA(米国ハーブ製品協会)によって刊行されたもので、650 品目に及ぶ メディカルハーブを安全性の観点からを7段階にクラス分類し,使用上の注意やハーブ製剤としての使用可否等を科学的アプローチによりまとめた安全性データ、さらに付録として植物化学成分の 解説やメディカルハーブの薬理作用などを収載したもの。日本版は 2001 年に当協会の前身である「メディカ ルハーブ広報センター」の監修によって刊行されました。
ただし、ジンジャーが体にいいからといって大量に摂取することは妊娠中、授乳中ともによくありません。適度な量を守り、使用することが重要です。
特に以前は乾燥したジンジャーは禁忌であった背景から、乾燥したジンジャーをたくさん飲むことは絶対にしないでください。
なぜ妊婦さんにおすすめなの?
ジンジャーには胃腸の働きを活発にし、吐き気にとても役に立つハーブです。
吐き気には乗り物酔いや胃腸の不調などのさまざまな原因がありますが、妊娠中のつわりによる吐き気にも役立つと言われています。
もし妊娠中の吐き気が目的でジンジャーを飲むのであれば、生のジンジャー(生姜)がおすすめです。
どうやって飲んだらいいの?
よくスーパーで見かけるジンジャー(しょうが)をすりおろして、スープや飲み物に入れるだけで大丈夫です。
ジンジャーだけでは飲みにくいと思われる方は、温かいほうじ茶に入れたり、ペパーミントハーブティーにはちみつと一緒に入れたり、炭酸水に入れたり、サイダーに入れてもおいしく飲むことができます。
特に妊娠中のつわりで食事もあまり取れていない妊婦さんは生のジンジャーをサイダーに入れて飲むと糖分も摂取出来るのでおすすめです。ちなみにつわりの吐き気で動くことすらしんどいときは、市販のジンジャーエールでも大丈夫です。
ただし、食事が取れるようになってからはサイダーから炭酸水に変更にしてください。甘いジュースをたくさん取り過ぎると、妊娠糖尿病や肥満へ繋がり危険です。ぜひ守ってくださいね。
まとめ
生のジンジャー(生姜)はスーパーでも手軽に手に入ります。妊娠中のつらい「つわり」、「吐き気」で悩む妊婦さんはぜひ試してみてくださいね。
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