【助産師執筆】妊娠中・妊婦さんの冷えにおすすめのハーブ3選

妊娠するとホルモンバランスの影響や、お腹の赤ちゃんを守るため皮下脂肪が増えることにより、暑いと感じる妊婦さんが多くなります。

身体が冷えると肩こりや頭痛、腰痛などの様々な不調を引き起こすのは、妊婦さんも例外ではありません。

着込んだり、靴下を履いたり、身体の外から温めることも大切ですが、身体の中側から温めることも非常に大切です。助産師ハーバリストが妊娠中の冷え対策におすすめの飲み物をご紹介します。

妊婦さんの冷えにおすすめなハーブ3選

①生姜(ジンジャー)
生姜は身体を温めたり、消化機能を促進してくれる働きがあります。そのため、冷え性や風邪の引き始め、吐き気や胃腸が弱った時に役立ちます
乾燥した生姜でなくても、生の生姜を飲み物やスープに入れるだけでも手軽に取ることが出来ます。
妊娠中の冷え性にもとても役立つハーブです。しかし、妊娠中は大量に飲むことは危険ですので必ず量や回数を守って飲むようにしてください。
②ゆず
ゆずには血行を促進して身体を温める働きがあります。冬の風物詩、冬至の「ゆず湯」には身体を温めて元気に冬を乗り越える意味合いもあります。
ビタミンCも豊富に含まれているので、風邪の引き始めにもおすすめです。
ただし妊婦さんが「ゆず」を飲む際に注意して欲しいことがあります。よく店頭で見かけるゆずをシロップにつけ込んである「甘いゆず茶」はあまりおすすめしません。
もちろんたまに飲む分には問題ありませんが、たくさん飲み過ぎると妊娠糖尿病を引き起こしてしまう危険があります。
飲む際はお茶用に乾燥してあるドライゆずやフレッシュなゆずを使用するようにしてください。
③柿の葉
「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われているように、高い薬効を持つ柿の葉。
柿の葉には血行を促進する働きがあるので、妊娠中の冷えにとても役立ちます
またレモンの20倍のビタミンCを含むのも特徴です。
ただし、ここで気をつけて欲しいのは「柿の実」ではなく「柿の葉」です。
「柿の実」ももちろん栄養がありますが、実は柿の実にはタンニンという物質を豊富に含んでいるため、たくさん食べると便秘の原因になってしまいます。
また果実全てに言えることですが、果糖という糖分を豊富に含んでいるため、たくさん食べると妊娠糖尿病の原因にもなる危険があります。
しかし、「柿の葉」にはそのような危険がないため、妊娠中でも安心して飲むことが出来ます。

冷えが妊娠に及ぼす影響とは?

基本的に妊娠すると体温が高くなります。妊娠を維持するために分泌されるホルモンの影響やお腹の赤ちゃんを守るために皮下脂肪が増えたりするため、妊娠中は体温が上がり、「暑い」と感じる妊婦さんが多くなります。
しかし、実際は顔や上半身は暑いけれど、下半身やお腹を触ると非常に冷えている妊婦さんが多くいます。
冷えが切迫早産や切迫流産を引き起こす科学的な根拠はありませんが、身体が冷えると肩こりや頭痛などの様々な不調を引き起こします。これは妊娠中でも妊娠していなくても多くの女性が感じているのではないでしょうか。特に妊娠中は心身ともに過敏になりやすいため、「冷え」というストレッサーを出来るだけなくすことが重要です。

飲み物以外の冷え対策

①三陰交を温める
下肢の内くるぶしから指4本分上にあるツボを「三陰交」と呼びます。三陰交は3つの経絡が交わる場所であり、別名「婦人科の要穴」と呼ばれているくらい女性にとってはとても大切な場所です。
この三陰交を温めることがとても大切です。レッグウォーマーや靴下を履いて温めましょう。
しかし、絶対に押してはいけません!三陰交を押すと子宮の収縮に繋がる危険があります。そのため、絶対に押してはいけません。
②足湯をする
足湯をすることも効果的です。足湯専用のバケツでなくても、深めのバケツで十分代用出来ます。
洗面器などの浅い容器で足湯を行うと、湯がすぐぬるくなり逆に足が冷える原因になるため、深めの容器またはバケツで行うようにしてください。
③湯船に浸かる
湯船にしっかり浸かることも重要です。湯船に浸かることで身体が温まり、それと同時に全身の血液も温まります。それにより子宮にいく血液も温まり、お腹の赤ちゃんも快適になります。
入浴は、妊娠に伴うマイナートラブルの痔や便秘、不眠などにも役立ちます
またストレスによる冷え症(血液循環不良)にも入浴はとても役立ちます。湯に浸かることで副交感神経が優位に立ち、リラックスへと導いてくれます。一日の最後にゆっくりとお風呂に浸かれば、リラックスしながら身体も温めることが出来るので妊婦さんにはとくにおすすめです。

妊婦さんが温める時の注意点

注意して欲しい点としては、「妊娠中はとにかく温めることが大切」とネット上に記載されているのをよく見かけます。温めることはよいことですが、暑いと感じている時に厚着をしたり、温かい飲み物を飲んだり、ネックウォーマーやレッグウォーマーをしている妊婦さんも多数いらっしゃいます。

暑いと感じている時や夏にそんなことをしてしまうと熱中症を起こしてしまう危険性があります。ネットに書かれていることを鵜呑みにしないで、「暑いときは薄着に冷えた物、寒いときは温かくして温かい物を」で調節するようにしてください。

まとめ

冷えが切迫早産や切迫流産を引き起こす科学的な根拠はありませんが、身体が冷えると肩こりや頭痛などの様々な不調を引き起こします。身体の内側、外側両方から身体を温めて、寒い冬も元気で乗り越えましょう。
執筆した人

助産師・ハーバリスト  野本まい

助産師のいるハーブ&アロマサロンmyherb、助産院myherb

自身の妊娠・出産・育児の経験からハーブ・アロマ・バッチフラワーレメディ等の植物療法、特に産婦人科領域で活躍するハーブを深く学ぶ。妊産婦さん、産後ママを植物の力でサポートしている現役助産師。

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