南米原産の「マテ」、西洋のコーヒー、東洋のお茶と並んで世界の三大ティーのひとつといわれています。何千種類とあるハーブの中でもカフェインを含んでいる珍しいハーブです。
ダイエットや肉体疲労回復などさまざまな薬効を持つマテ茶。今日はマテの味や栄養成分、効果効能をまとめました。
マテ茶とは?
学名:Ilex paraguayensis(イレグス パラグララリエンシス)
英名:Paraguay tea
パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンに生息するハーブで、日本ではあまり知られていませんが、西洋のコーヒー、東洋のお茶、南米のマテ茶を合わせて世界三大ティーといわれています。
鉄やカルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルやビタミンB・Cなどの栄養素を多く含むことから「飲むサラダ」と言われ、南米では毎日の生活には欠かせないお茶となっています。
南米では主流のマテ茶ですが、インドのアーユルヴェーダでも使用されています。
ハーブではめずらしくカフェインを1~2%含有しているのも特徴のひとつです。カフェインの含有量はコーヒーの4分の1、紅茶の3分の1、緑茶の2分の1程度です。
マテ茶の栄養成分
ビタミンやカルシウム、カリウム、鉄分、ビタミンC・B群などを多く含むマテ茶は「飲むサラダ」として、野菜不足などにも活用されています。
通常、強い苦味があり脳など中心部(中枢性)の興奮・鎮静(落ち着かせる)・鎮痛(痛みを和らげる)作用があります。カフェイン、テオフィリン、テオブロミンなどのアルカロイドを含みます。激しい毒性を持つ物が多いと言われています。
カフェイン・テオフィリンは脳の働きを覚醒したり、興奮に近い作用をもたらします。また茶葉に含まれる苦味はテオフィリンによるものです。
テオブロミンはリラックス効果、ダイエット効果、集中力や思考力を高める働きがあります。
カフェ酸はコーヒーに含まれるポリフェノールの一種で脳を活性化させたり、リラックス効果があります。抗酸化(老化を防ぐ作用)作用がとても高いので、動脈硬化やアンチエイジングにも役立ちます。
クロロゲン酸もコーヒーやじゃがいもに含まれるポリフェノールの一種で抗酸化作用の他、脂肪の蓄積を抑える働きがあります。
抗酸化作用のあるポリフェノールの一種です。ポリフェノールの中でも特に脂肪の吸収を抑える働きが強いのが特徴です。身体に溜まった脂肪を外に出す働きもあります。
特にビタミンA、B₂、B₆、Cを豊富に含みます。ビタミンB₂とB₆は代謝を促進したり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。ビタミンCは皮膚や粘膜を保護する働き、免疫力を高める、抗酸化作用など幅広い作用があります。
鉄やカルシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含みます。特に鉄分とカルシウムの含有量はとても高いと言われています。マテ茶が「飲むサラダ」と言われるのはミネラルやビタミンなどの栄養素を多く含むためです。
マテ茶の効果・効能
さまざまな効果・効能をもつマテ茶。その代表的なものをあげてみます。
脳の働きを活性化したり、集中力を高めたりする働きがあります。心や身体が疲れて元気がでない時に飲むと活力を高めてくれます。緊張しすぎて疲れた時は筋肉の緊張を和らげてくれる働きもあります。精神的なストレスからくる肉体疲労にとても有効です。
夏バテによる疲労回復にもとてもおすすめです。
マウスを使った実験でも効果を実証されています。
マテ茶に含まれるポリフェノールには脂肪の吸収を抑えてくれる働きがあります。また身体に溜まった脂肪を排出する効果もあります。
また食欲を抑えて知的活力を増強する働きもあります。
ダイエット効果を効率的に得るためには、運動の前~運動中に飲むことがおすすめです。
抗酸化作用(細胞の老化を防ぐ作用)が強いので動脈硬化を予防したり、糖尿病などの生活習慣病を予防する働きもあります。
マウスを使った研究ではLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪が減少したといった研究結果も報告されています。
高血糖が続くと産生されるAGE(糖化物質)は糖尿病の合併症を引き起こすと言われていますが、マテ茶はAGEが出来るのを防止する働きもあります。
グリーンマテとブラックマテの違い
マテにはグリーンマテとブラックマテの2種類があります。グリーンマテは葉を乾燥させただけのお茶ですが、ブラックマテはグリーンマテをさらに焙煎したものになります。
焙煎することにより栄養成分は若干減りますが、香ばしさが加わることで飲みやすくなります。グリーンマテの味が苦手な人はブラックマテがおすすめです。
味はグリーンマテの方は若干クセのある味で少し苦味を感じます。ブラックマテは独特の風味は若干ありますが香ばしくてかなり飲みやすいです。
マテ茶の飲み方
南米ではさまざまな容器にいれて伝統的に飲む飲み方がありますが、ここでは一般的なハーブティーの入れ方をご紹介します。
ティースプーン一杯(約2g程度)をティーポットに入れて、熱湯を注ぎます。3~5分蒸らした後、カップに注ぎます。お好みでミルクやレモン、はちみつを入れてもおいしいです。
マテを常温の水で時間をかけて(約6時間)抽出する方法です。熱湯でマテを入れるとカフェインやタンニンがよく溶け出すのですが、水出しで作るとカフェインやタンニンの溶け出しを抑えることができます。
熱湯で入れるよりもカフェイン・タンニンが少ない分、まろやかな口当たりです。
夏場は食中毒の危険もあるため水出しマテ茶を作る場合は冷蔵庫保管をおすすめします。
妊婦さんは飲んでいいの?
メディカルハーブ安全性ガイドブックではクラスⅠ(適切な使用において安全)に分類されおり、妊娠中・授乳中の飲用は禁忌になっていません。妊娠中も授乳中も少量飲む分なら問題ないです。
少なからずカフェインが入っているので助産師ハーバリストの私はあえて飲む必要はないと思います。どうしても飲みたい場合は熱湯ではなく水出しマテ茶がおすすめです。ただし、妊娠中や授乳中は免疫力が下がっているので食中毒には注意が必要です。
どこで買えるの?
マテ茶は薬局やネットなどでもわりとすぐ購入することが出来ます。
まとめ
ダイエットや生活習慣病予防、肉体疲労回復や精神疲労回復、さらには夏バテにも大活躍するマテ茶。毎日の健康習慣にぜひ取入れてみてくださいね!
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